これまで何冊か樺沢先生のご著書を拝読させていただきましたが、今回の「言語化の魔力」は最も私の心に響くものがありました。
本書を通して多くの学びがありましたが、特に私の印象に残った2点を挙げさせていただきたいと思います。
まず1点目は、「悩み」≠ ネガティブ と先生が述べておられることです。
私は元来内向的な性格で、対人関係(コミュニケーション)に非常に苦手意識があり、強いコンプレックスを抱えながら長年悩んできました。
人間として生まれてきた以上、他者と関わることは避けては通れず、私の悩みは解消することはないように思えていました。
本書の中で先生は、「悩み」は心の筋トレであり、「つらい」「苦しい」も乗り越えられれば自己成長出来て、大きな自信になる、と述べられています。
「悩み」はあなたの弱点や改善点を教えてくれるもので、あなたを成長させる絶好のチャンスであるとも。
私は、コミュニケーション能力が高く見える人をずっと恵まれた人だと羨ましく思ってきましたが、昨年、樺沢先生を存じ上げて以来、自分には圧倒的にアウトプット力が足りないことに気付き、先生が勧められるままに、本を読んだり、映画を観たりしたら必ずその感想を書くように努めてきました。
その過程で、(私は話すことは苦手だけれど、文章を書くことは結構好きだな...)ということに気付いたりもしました。
そんなことを1年半ほど続けてきた結果、以前はとても口下手であった私が、自分の考えや思いを人前で堂々と話せるようになってきたのです。
これは明らかに、これまでのアウトプットの訓練の成果だと感じますし、自分の頭の中にモヤモヤとしていた考えや思いを言語化出来るようになってきたのではないかと思うのです。
1年半前の私は、この口下手は生まれつきの性格によるもので、一生付き合って悩んでいかなければならないと思い込み、ある意味人生真っ暗な感覚でした。
しかし現在は、過去の自分と比較すると確実に成長したような感覚があり、自分の人生は自分自身でコントロール出来るのだというような気さえしているのです。
「悩み」の渦中にいる時は大変つらく、どうにもならないような気持になりますが、今、自分に出来ることにフォーカスし、少しでも行動を起こすことで「悩み」を解消することが出来るのだと実感しています。
2点目の学びは、「視座」についてです。
今まで、ネガティブはマイナス、ポジティブはプラスというイメージがありましたが、ニュートラル(中立)で見るーということの大切さに気付くことが出来ました。
根拠、証拠、データを集めて現状を分析し、冷静に判断、行動するということです。
樺沢先生がこれまでにも何度も「ニュートラル」とおっしゃっていたのを記憶していますが、その意味をやっと正しく理解出来たような気がして嬉しく思います。
「感情に振り回されて一喜一憂せず、先入観や偏見を取り除いて全体を見て判断していくということ。」
それは決して一朝一夕には出来ないかもしれませんが、とても大切なことだと感じますし、これからの人生を通して努力して身に着けていきたいと強く思います。
最後になりましたが、貴重な学びの機会を与えていただいた樺沢先生に深く感謝いたします。