けいこの日記

読んだ本の感想などを語っています。

『記憶脳』by 樺沢紫苑著を読んで

今年の2月に出版された『記憶脳』は、2016年に発売された『覚えない記憶術』の改訂版です。 前の本は読んだことがあるのですが、改めて今回読み直してみました。

 

 本書は、定期的な試験や受験がある若い方々は勿論のこと、人の名前などが出てこない...等といった現象ががしばしば起こるようになる私達世代の方々にとっても、大変役に立つ内容です。

50代の私が、特に印象に残った内容を3つ上げさせていただきます。

 

 1つ目は、「歳をとっても脳は育つ!」という事実です。

ボーッとした刺激のない生活をして脳を使わないでいると、記憶力は衰え、脳細胞もドンドン死んで、脳は衰えるー。

しかし、脳を鍛えることで、記憶に関して重要な働きをする「海馬」の細胞数を増やし、「海馬」の体積を増やすこともできる、というのです。

そして、脳内のネットワークを構成している神経細胞の接合部である「シナプス」の数は、脳を鍛え続けることによって、40歳をすぎても、50歳をすぎても増やすことが出来るとのこと。 結果、「記憶力」を高めることも可能なのです。

高齢化が進む中、私達の切実な懸案事項である『認知症』も、脳を鍛え続けることでその衰えを防ぎ、病気を予防をすることが可能なのです。

このことは、『認知症』は決して恐れる病気ではなく、充分に予防が出来るのだという希望を示してくれています。

 

 2つ目は、「大人の能力」で勝負する~「大局観活用理論」についてです。

私達があらがえないと思っている『老化』。

私も体力においては若い頃より確実に低下していると感じていますが、本書では、歳をとってから『育つ』能力があると述べられているのです。 その能力について、先生は棋士羽生善治さんの著書

「大局観 自分と闘って負けない心」から、『大局観』ー経験値の積み重ねとして養われる、全体を見通す力ーを引用して、次のように述べておられます。

「物事の全体像を概観し、把握する力や、考えをまとめ、再構成する能力などは、歳とともに成長する。 それは、歳とともに、知識のストックが増えていくからで、より正しい判断を下すことができる」のだと。

丸暗記する能力や長時間にわたる集中力などにおいて、衰えていく部分はあるものの、

『まとめ・整理する能力、全体を俯瞰する能力、関連づける能力』は、年齢とともに伸びていくのです。 この能力に注目して活かしていくことにより、私達世代も若い方々に引けを取らず、まだまだ希望をもって担える役割がある、と思えるのは嬉しいことです。

 

 そして3つ目は、「ストーリー化記憶術」の1つ、

何かを体験したら、とりあえず人に感想を話す~「とりあえず記憶術」です。

 私は昨年12月から、樺沢先生の元ファンクラブ「しおんず」つながりの方々がされている『朝活』に参加するようになりました。 

毎朝6:30~と、7:45~の約15分間、ZOOMでつながり、1人ずつ好きなことを2~3分話すのです。

自分の近況や、前に言った人の内容を受けて話をしたりしています。

私にとって、この時間は大変貴重なアウトプットの場となっていて、自分の体験や思い、考えなどについて話をすると、自分の頭の中が整理されるような実感があります。

限られた時間内に人に分かり易く自分の言いたいことを伝えるよう意識することは、とても頭を使います。

先生曰く、人と話をする、ということは「体験」であり、現実。

「人と話す」それだけのことでもストーリー化され、より印象深く、より長期的に『記憶』に残すことが可能だとのことです。

「何かを体験したら、とりあえず人に感想を話す」こんなにシンプルなアウトプットが、『記憶』に残すには絶大な効果があるとのことです。

私は、インプットしたことをなかなかすぐにアウトプットすることが出来ない方なのですが、この「朝活」を通して、強制的に毎朝なにがしかのアウトプットが出来るようになってきました。

これからも大切な仲間と共にアウトプットを継続しながら、『記憶脳』を鍛えて老化に挑んでいきたいと思っています。