けいこの日記

読んだ本の感想などを語っています。

『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』中野信子著を読んで

 著書はメディアにもよく出ている脳科学者の中野信子さんが書いた本です。 彼女は東大大学院で医学博士号を取得した後、フランス原子力庁にポスドク(博士課程修了の研究者)として勤務した際、世界中のたくさんの頭のいい人を見てきたそうです。

中野信子さん程の頭のいい人が感じた世界の「頭のいい人」に興味がわき、本書を読んでみました。 その中で印象に残った3例を挙げてみたいと思います。

 

 1例目は、「周りにいる人たちを虜にする」人です。

フランス系ユダヤ人のAさんという女性はとても褒め上手だったそうです。 相手の話をよく聞いて相手をしっかりと観察し、その素晴らしいところを心を込めて褒めてあげるそうです。 人間は誰でも「理解されたい」と思うものです。 彼女はこうして相手の「自尊心」をうまくくすぐっていたのです。 この時、表面的な部分を適当に褒めるのはNGだそうです。

私は口に出して褒めるのはなんだか気恥ずかしくてあまり出来ずにいましたが、褒められて嫌な気分になる人はいないですよね。 相手の良いところを見つけて積極的に褒めてあげられるような人になりたいなと思いました。

 

 2例目は、「ライバルを見つける」人です。

私は人をライバル視するのは苦手です。 極力競いたくないと思って生きてきました。

アルジェリア出身の女性研究者Fさんは、ライバルを見つけるのが得意で、ライバルの良いところをとことん吸収するのだそうです。 

これまで、他人との比較は良くないと思ってきた私ですが、中野さんは、

「何を比較し、それをどのように捉えて今後どうするか」が重要で、他人との比較も、本当は大事だと述べられています。

頭のいい人は、積極的にライバルを見つけて、自分を磨いていくのだなということに気付きました。 私も少しずつそのような思考を身につけられたらと思います。

 

 最後は「楽観主義者である」人です。

こちらもアルジェリア出身のFさんですが、「楽観主義」であり、「やればできる」と自分の力を信じているのだそうです。 これは「自分に特別な力がある」と思い込むことではなく、「誰にでも、できることをきちんとやれば、絶対に結果が出る」と信じるということだそうです。 彼女は才能ではなく、自分の努力を信じているのです。

そして同時に、他の人にも「やればできる」力があることを信じているので、仲間の成長を辛抱強く待つことも心がけているそうです。 私はこういう考え方が素晴らしいなと思いました。 こういう人は精神状態も安定しているのだそうです。

私もこういう楽観主義を身につけられるように努力したいと思いました。

 

 著者は、逆境も自分の味方にして、したたかに生き抜いていくのが「世界で通用する、本当に賢い人の要件」であり、時に日本人には、それが足りていないのではと提起されています。 今回、世界基準の頭のいい人たちを垣間見て、私もまだまだ自分自身を磨いていかなければいけないなと感じました。